[用語解説その他](2)  
イヌイット北極周辺地域会議
 「北極の環境保護戦略」(AEPS)を具体化するため、北極における最初の政府間組織で、1996年に発足した。単に「北極会議」と 言われる場合もある。
 北極地方にある固有の民族の組織と共に、8つの北極の政府が共通に重要な問題を議論する公開討論会を持っている。
 人為的な温室効果ガスの排出による地球温暖化は、北極圏におけるイヌイットの社会や文化にすでに深刻な影響を及ぼしており、 今後その劇的な変化は増加していくと予測されているため、北極会議はイヌイットの人々の利益を主張し、アラスカ、カナダ、 グリーンランド、ロシア極東地域など住むイヌイット155,000人がアメリカ政府に対し温室効果ガスを減らすよう働きかけている。
ウォームビズ
 地球温暖化防止の一環として、秋冬のオフィスの暖房設定温度を省エネ温度の20度にし、暖かい服装を着用する秋冬のビジネス スタイルのこと。
 「ビズ」はビジネスの意味で、ここでは暖房に頼りすぎず、暖かく効率的に働くことができる新しいビジネススタイルの意味が 盛り込まれている。2005年に大きな話題を呼んだ「クールビズ」の冬版として、環境省によって提唱された。
 暖房設定温度を21℃から20℃にした場合、年間で1家庭あたり約25.7kgの二酸化炭素を削減することができるとしている。
ウッドマイレージ
 1994年に英国の消費者運動家ティム・ラング氏が提唱したFood Miles(日本では「フードマイレージ」という表記をとる)を 木材に応用した指標であり、木材の量と木材の産地と消費地まで輸送距離を乗じたものである。
 日本の木材に対する自給率は18.2%と低く、南米、アフリカ、欧州、オセアニアといった、8,000キロメートル以上離れた輸出国から 輸入する割合が40%と非常に高い。結果として日本のウッドマイレージは384億キロメートルで、米国の4.6倍、ドイツの21倍 にもなる。輸送過程の二酸化炭素排出量(ウッドマイレージCO2)を計る研究や、認証制度の試みも始められている。
エコ・ドライブ
 アイドリング・ストップの励行、急発進・急加速の禁止、経済速度の遵守など環境にやさしい運転(エコ・ドライブ)は、車から 排出される温室効果ガスの量を抑制するとともに、安全運転にとってもきわめて重要です。

エコ・ドライブ6つのポイント(排気量2000ccクラス)
 (1)アイドリングをやめる 10分間のアイドリングをやめるとガソリン140ccの節約1440m余分に走れます。
 (2)急発進しない 10回やめるとガソリン120ccの節約1240m余分に走れます。
 (3)急加速しない 10回やめるとガソリン120ccの節約1240m余分に走れます。
 (4)空ぶかししない 10回やめるとガソリン60ccの節約620m余分に走れます。
 (5)むだな荷物は積まない 10kg積載をやめるとガソリン20ccの節約(50km走行)210m余分に走れます。
 (6)適正なタイヤの空気圧とする 適正圧より0.5kgf/cm減った状態と比べるとガソリン130ccの節約1340m余分に走れます。
エコリュックサック
 ある製品や素材に関して、その生産のために移動された物質量を重さで表した指標。最終的な目標であるサービスに関連付けて、 製品の全ライフサイクルにわたって集計される物質量(MIPS: material input per service)を論じるために導入された概念で、 1994年にヴッパタール研究所のシュミット=ブレークが提唱した。
 例えば1トンの銅を得るためには鉱石、土砂などの自然資源500トンを移動する必要があり、この場合のエコリュックサック値は、 500と表される。同じ重量の商品でも、その材質(木製か銅製かなど)によって、物質の移動量にどの程度の差があるか比較可能 とするための指標。
エコロジカル・フットプリント
 人間活動により消費される資源量を分析・評価する手法のひとつで、人間1人が持続可能な生活を送るのに必要な生産可能な 土地面積(水産資源の利用を含めて計算する場合は陸水面積となる)として表わされる。
 例えば、あるエコロジカル・フットプリントでは、
 1)化石燃料の消費によって排出される二酸化炭素を吸収するために必要な森林面積
 2)道路、建築物等に使われる土地面積
 3)食糧の生産に必要な土地面積
 4)紙、木材等の生産に必要な土地面積
を合計した値として計算される。
 この場合、アメリカで人間1人が必要とする生産可能な土地面積は5.1ha、カナダでは4.3ha、日本2.3ha、インド0.4ha、 世界平均1.8haとなり、先進国の資源の過剰消費の実態を示すものである。
 これは人間が地球環境に及ぼす影響の大きさとみることもできることから、エコロジカル・フットプリントつまり 「地球の自然生態系を踏みつけた足跡(または、その大きさ)」と呼んでいる。
エタノール混合ガソリン
 ガソリンにエタノール(エチルアルコール)を一定量混ぜた自動車燃料で、エタノールの混合割合によってE3(エタノール3%)、 E10(エタノール10%)などが議論の対象となっている。いずれも、カーボンニュートラルなバイオマス由来のエタノールを使用する ことにより、地球温暖化対策として注目されている。
 エタノールの混合比率を高めるに従って安全面(燃料系のトラブル)と環境面(排出ガスの悪化)の両面からの検討が必要と されている。特にエタノールの混合比率が10%を超えると、電子制御燃料噴射装置、燃料ポンプ、イグニッションシステム、燃料 タンク、触媒式排出ガス浄化装置などの変更が必要となり、更に25%を超えると、エンジンの圧縮比、バルブ等の材質変更、 可変吸気システムの変更、排気管の設計変更などが必要となってくる。
エネルギー原単位
 エネルギー効率を表す値。単位量の製品や額を生産するのに必要な電力・熱(燃料)などエネルギー消費量の総量のことで、一般に、 省エネルギーの進捗状況をみる指標として使用される。
 例えば、10億kcalのエネルギーを使用して1億円のGDPを得た場合、エネルギー原単位は[10億kcal/1億円=10kcal/円(1円の価値 を生み出すために10kcalのエネルギーを使用した)]となる。従って、この値が小さい程、生産効率の上昇を示し、省エネルギー化 され、温暖化への寄与が小さいといえる。
エネルギー転換部門
 石油、石炭等の一次エネルギーを産業、民生、運輸部門で消費される最終エネルギーに転換する部門(発電、石油精製等)である。
 エネルギーの供給側であるエネルギー転換部門は、転換効率の向上や二酸化炭素排出量の少ないエネルギーの導入等により、 電気・ガスの単位供給量当たりの二酸化炭素排出量を削減するよう努めることが必要である。
エルニーニョ現象
 太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態 が半年から1年半ほど続く現象。
 スペイン語で「神の子」を意味する。海面水温が高くなる現象がクリスマスの頃に顕著なことから、ペルーの漁師たちが名付けた。 逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる(エル・ニーニョの女性形)。
 気象庁では1961年から1990年までの海面水温の平均(基準値)との差の5ヶ月移動平均値が6ヶ月以上続けて+0.5度以上となった場合 をエルニーニョ現象と定義している。これまで、数年に一度発生している。エルニーニョ現象が発生すると、太平洋全域の海水温分布 が変化し、これが気圧配置に影響を及ぼし、世界各地でさまざまな気候影響が現れる。
 日本ではエルニーニョ現象の発生時に冷夏や暖冬になりやすく、また夏と冬に多雨となる傾向がみられる。ヨーロッパ南部での夏の多雨による河川の氾濫や、アフリカでの小雨による干ばつなど、エルニーニョの気温や降水量への影響は 人間生活にも大きな影響を与える。
        
用語解説その他 to previous page  to top_page  to next page
       Issued by Toshitaka Nishioka.